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産業廃棄物収集運搬業を行なっていくうえで大切なのは、廃棄物処理法を守ることです。
しかし、その前提として注意しなければならないのが欠格要件に該当しない、ということです。
なぜなら、欠格要件に該当すると、許可が受けられなかったり、許可を取り消されたりしてしまうからです。
それでは、その欠格要件とは、どのようなものなのでしょうか。
ここでは、産業廃棄物収集運搬業の許可の前提となる欠格要件についてくわしく解説します。
欠格要件とは、産業廃棄物収集運搬業を始めとする産業廃棄物処理に関わる事業を行なう人が適正にその事業を行なうことができるか否かを判別するための条件をいいます。
いわば、産業廃棄物処理業を行なってはいけない人を廃除することを目的とする要件です。
欠格要件に該当することが問題となるのは、次に揚げる人です。
これらの人々が欠格要件に該当した場合には、その事業者は許可を取り消されてしまいます。
欠格要件は廃棄物処理法第7条第5項第4号と第14条第5項第2号に定められています。具体的には次の通りです。
廃棄物処理法第7条第5項第4号に定める欠格要件
第14条第5項第2号に定める欠格要件
欠格要件に該当した場合、許可を取得していればその許可は取り消されます。複数の自治体で許可を取得していた場合には、それらすべての許可が取り消されることとなります。
また、許可を取得する前であれば、許可の申請は却下され、申請手数料も戻りません。
さらに、廃棄物処理法には許可の取り消しや犯罪行為を行った場合には、その許可が取り消されてから、または刑の執行が終わってから5年を経過していない者は欠格要件に該当すると規定されています。
なお、刑法犯の場合には、執行猶予がついたとしても欠格要件に該当してしまいます。
つまり、欠格要件に該当して許可を取り消されると、5年間経たなければ新たに産業廃棄物収集運搬業の許可を取得することができないのです。
欠格要件の具体例としてもっとも身近に起こり得るのは交通違反です。
ここで注意すべきは、廃棄物処理法で欠格要件に該当するのは禁錮以上の刑に処せられた場合と規定されていることです。
たとえば、酒気帯び運転の場合、3年以下の懲役、または50万円以下の罰金となります。懲役刑ですから、禁錮以上の刑となり、欠格要件に該当してしまいます。
また、自賠責保険に未加入の車を運転した場合には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金となるので、こちらも欠格要件に該当します。
さらに、時速80キロを超える速度違反をした場合、懲役刑となった裁判例があります。(昭和62年10月30日 最高裁判例)この場合にも欠格要件に該当することとなります。
役員や5%以上の株主の方、個人事業主の方は十分に気をつけることが必要です。
もしも、欠格要件に該当してしまったときには、2週間以内に欠格要件該当届を提出しなければなりません。欠格要件該当届の提出をせずにいた場合には、6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
産業廃棄物収集運搬業許可に関わる欠格要件について解説してきましたが、いかがでしょうか。
通常、暴力などの犯罪行為によって欠格要件に該当してしまうことはないでしょう。しかし交通違反を犯す可能性はあります。むしろこちらのほうがこわいですよね。
事業の円滑な運営と発展のために、法人の役員や5%以上の株主の方、また、個人事業主の方は欠格要件に該当しないよう注意しましょう。
産業廃棄物収集運搬業許可のメニューは次の通りです。