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自分がなくなった後の手続きはどうすればいいのだろうか。
一人暮らしの高齢者が増えるにつれて、このようなことを考える方は多くなっているのではないでしょうか。
近くに手続きをお願いできる親しい友人などがいるのであればよいのですが、そうでない場合には不安になってしまうかもしれませんよね。
そのような時には死後の事務委任契約を利用する方法があります。自分がなくなった後に行う手続きをしてくれる人を、契約によってあらかじめ決めておくという方法です。
ここでは、死後の事務委任契約の意味と当事務所が行なっている契約書作成の手順についてご案内します。
死後の事務委任契約とは、本人がなくなった後に行わなければならない様々な手続きを、契約によって、他人に行ってもらうことをいいます。
たとえば、葬儀の手配、病院や介護施設などへの治療費や利用料の支払、公共料金の支払、年金受給の停止手続きなどを契約した相手に行なってもらうものです。
これらの手続きは通常は、なくなった本人の親族が行ないます。しかし、本人に身寄りがなかったり、親族がいても疎遠になっていて、連絡先もわからない、などといった理由がある場合には、誰かがその代わりをしなければなりません。そこで、死後の事務委任契約を活用することで、その問題の解決を図るわけです。
死後の事務委任契約がない場合には、法律上、次のような対応がなされています。
遺体の引き取りや火葬、埋葬などは市町村が行ないます。また、財産は利害関係人もしくは検察官の申し立てによって家庭裁判所が選任した相続財産管理人が管理をすることとなります。
相続財産管理人は相続人や相続財産を調査するとともに、債権者がいる場合には相続財産の中から債務の支払いをします。最終的に財産が残った場合には、国庫に帰属させる手続きを行います。
死後の事務委任契約がない場合の問題点は次のとおりです。
病院や介護施設などへの費用の清算手続きについては、家庭裁判所に選任された相続財産管理人によって行われます。しかし、手続きの終了までに時間がかかるため、施設側としてはこの方法をとるのは避けたいところでしょう。
また、パソコンやインターネット上に残された個人情報やFX取引口座などのデジタル遺品については、手つかずのまま放置されてしまう可能性があります。管理者がいなくなりますので、残された情報の流出や悪用といった危険性があるのです。
このような問題を解決するためには死後の事務委任契約が必要となります。
死後の事務委任契約のメリットは次のとおりです。
これらの処理は遺言状に記載したとしても法的な効力がありません。そのため、死後の事務委任契約を結ぶことで問題を解決することができるのです。
死後の事務委任契約は、法律に触れることでなければ自由に内容を決めることができます。
たとえば、次のとおりです。
死後の事務委任契約は遺言状とのつながりで利用を検討されることが多いようです。
遺言状に記載してあれば何でも実行できるわけではなく、そこには法律で決められた限界があります。
そういった遺言状ではできないことを、契約によって死後に行ってもらう事務として約定することで実現するというのが死後の事務委任契約の特徴です。その特徴を活かすため、遺言状とセットで作成することが行われているのです。
なお、遺言状は任意後見契約とセットすることで、本人の「老い」に備えるということもいわれています。ここに死後の事務委任契約を加えることで、さらに「老い」への備えを厚くすることができるのです。
死後の事務委任契約は便利ですが、作成にあたっては注意しなければならない点があります。それは委任契約の終了と解除に関する特約を定めておくことが必要という点です。
死後の事務委任契約は民法の委任契約に基づいています。民法上、委任契約は本人が死亡すると終了するとされているのですが、特約によってこの部分を変えることができます。
すなわち、本人が死亡しても、死後の事務委任契約は終了せず有効であるとされているのです。これは平成4年9月22日に出された最高裁判所の判例によって確立したものです。
また、相続人は委任契約をいつでも解除できるということが民法651条1項に規定されています。この点については、平成21年12月の高裁判決でその内容が不明確だったり、実現困難であったり、さらには不合理であったりするようなものではない場合には、この規定による契約の解除は許さない、としています。すなわち、相続人が死後の事務委任契約に不満をもったとしても内容によっては契約の解除はできない、としているのです。
ただし、これらの内容は契約上当然に適用されるものではありません。そのため、死後の事務委任委任契約書には、契約が本人が死亡しても続くこと、相続人が自由に解除することができないことを記載しておくことが必要です。
しかしながら、これらの対応をとっていたとしても、契約の内容によっては相続人との間でトラブルが起きる可能性はあります。そのため、死後の事務委任契約を利用する場合には、相続人の意思に配慮し、トラブルにならないようにする必要があるでしょう。
死後の事務委任契約書は公正証書で作成することをおすすめします。私人間で作成した契約書でも有効ではあるのですが、証拠力という点から公正証書で作成した契約書はどこに提示しても問題ないからです。
また、法律のプロである公証人が作成するので、間違いのない契約書になります。
当事務所では、公正証書による死後の事務委任契約書の作成を行なっています。
ここでは、ご相談から契約書作成までの手順をご説明いたします。
なお、面談によるご相談や業務のご依頼を頂いた場合、ご希望に応じてオンライン通話による打ち合わせを行っております。くわしくは以下のページをご覧ください。
死後の事務委任契約利用にあたっての疑問や不安にお答えします。
お申し込みは、お電話もしくはページ内にある「お問い合わせフォーム」をご利用ください。
お申し込み頂きましたら、日程を調整したうえでご面談をさせて頂きます。
また、お申し込みではなく、ご相談のみの場合でも同様の手順でご連絡ください。
ご相談のみの場合で、面談によるご相談をご希望される場合には、その旨ご連絡ください。日程を調整のうえご相談に応じさせて頂きます。なお、面談によるご相談は有料となります。
お客さまとの対話を重視することがモットーです。お客さまのお話にじっくりと耳を傾け、時間をかけて丁寧にヒアリングいたします。
お申し込みを頂きましたら、当事務所からお見積りを提出いたします。
基本的には料金表の通りとなりますが、内容によって異なる可能性がありますので、あらかじめご承知おきください。
お見積り金額でよろしければ、当事務所との間で業務委託契約手続きをさせて頂きます。
当事務所では、お客さまにご納得いただけないままお手続きを進めるようなことは一切ございません。一つでもご不明点がございましたら、お気軽にお申し付けください。
ご契約と同時に着手金および預り金をお支払い頂きます。
着手金の額は見積り金額の50%となります。
死後の事務を委任する方をまじえて、具体的な契約内容を決めます。
葬儀の方法から始まり、病院や介護施設などへの費用の支払いや退去の手続き、年金受給停止手続き、さらにデジタル遺品がある場合にはその削除や解除手続きなど、細かい点を詰めていきます。
また、死後の事務を委任する方に対する報酬もこの時に決めます。
決まった契約内容をもとに公証役場との間で死後の事務委任契約書作成のための打ち合わせをいたします。この時の打ち合わせは当職が行ないます。
公証役場での打ち合わせによって作成した契約書の案を確認していただき、問題なければ契約書作成に進みます。
もし、疑問があれば、再度、公証役場と打ち合わせをして、契約書の文案を作成。お客様にご確認いただきます。
お客様が納得されましたら、契約書の作成に進みます。
お客様に公証役場までおいでいただき、死後の事務委任契約書を作成します。
費用については、公証役場に支払う手数料とともに、残額をお支払い頂きます。
死後の事務委任契約は、基本的に親族が行なうべきことを他人に任せるというものです。そのため、利用にあたっては本人と親族との関係を考慮する必要があるでしょう。
そのうえで、親族のなかに死後の事務を行なう人がいない場合に、死後の事務委任契約の利用を検討するのがよいのかもしれません。
当事務所では、死後の事務委任契約書作成を行なっています。
死後の事務委任について興味を持たれた方、利用の検討をされている方はぜひご相談ください。
電話やメールによる相談は初回無料です。
相続業務のメニューは次の通りです。