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個人、法人間の金銭消費貸借契約書の必要性

個人と法人との間で金銭貸借を行うケースは少なくないと思います。代表的なのは法人の役員とその法人との間で金銭の貸し借りを行うものです。

たとえば会社の資金繰りのため、役員借入という形で役員が会社に対して資金を貸すことは広く行われています。また、その反対に会社が役員に金銭を貸し付ける役員貸付といわれる仕組みもあります。

いずれもメリットデメリットがあるのですが、双方ともに必ず金銭消費貸借契約書の作成が必要となるのはご存知でしょうか。

実は金銭消費貸借契約書の有無が、法律上、税務上いずれの場合にも大きな影響を与えることとなるのです。

ここでは個人と法人との間での金銭貸借の際に金銭消費貸借契約書が必要な理由について解説していきます。

個人と法人との間での金銭消費貸借契約

個人と法人との間の金銭消費貸借契約は次の2点にわけて考えることができます。

  • 個人が法人に貸す場合
  • 法人が個人に貸す場合

いずれの場合も金銭消費貸借契約書の作成が必要となります。ここからはその理由について解説していきます。

個人が法人にお金を貸す場合

個人が法人にお金を貸した時に金銭消費貸借契約書がなければ、その行為は贈与とみなされるおそれがあります。

贈与とみなされると個人の側には貸したお金が「みなし譲渡課税」の対象とされ所得税が課税されます。一方、法人の側では借りたお金が「無償による資産の譲受け」とされて法人税の課税対象となってしまうのです。

個人が法人にお金を貸す時には必ず金銭消費貸借契約書を作成しましょう。

個人が法人にお金を貸す場合の利息はどうなるのか

個人が法人にお金を貸す際に利息をとる必要はありません。個人は利益を追求して動く存在ではないので利息をとることについては、その人の自由意志に任されているからです。また、利息をとらないことに関して税務上の問題は個人、法人ともにありません。

利息を付けてお金を貸す場合には株主総会もしくは取締役会で承認を受ける必要があります。法人の側からすれば借入利息を事前にチェックしておくことが重要だからです。さらに、法人がお金を借りる相手がその法人の役員であれば、その行為は利益相反取引となります。その場合には株主総会もしくは取締役会での承認が必要とされています。

そのため法人の役員が所属する法人に利息を付けてお金を貸す場合には金銭消費貸借契約書の他に株主総会もしくは取締役会いずれかの議事録を作成する必要があります。

法人が個人にお金を貸す場合

法人が個人にお金を貸すケースとして考えられるのは次の2点です。

  • 個人の側がその法人の役員である場合
  • 個人の側がその法人の社員である場合
個人の側がその法人の役員である場合の問題点

会社法356条の問題

会社法356条では、「取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするときは、株主総会において、重要な事実を開示し、その承認を受けなければならないと規定されています。

この規定は利益相反取引を禁止したものです。法人が役員にお金を貸す行為は利益相反取引に該当します。この場合にはその内容について株主総会で承認を受けなければなりません。承認手続きをしないとその取引は当事者同士の間では無効となってしまうのです。

そのため、法人が役員にお金を貸す際には株主総会の承認を得ている旨の株主総会議事録を作成する必要があります。さらに具体的な返済方法などを記載した金銭消費貸借契約書が必要です。

税務上の問題

役員がきちんと返済すればよいのですが、そうではない場合、返さなかったお金は役員への賞与とみなされ法人税の課税対象となるおそれがあります。

また、法人による貸付けでは適正な利息を取る必要があります。法人は経済合理性で動くものとされ、貸付けを行う際には一部の例外を除き利息をとることとされているからです。

無利息の場合や、利息があってもその額が適正でない場合には適正な利息との間の差額が役員報酬として課税の対象となってしまいます。

そのため利息について定めた金銭消費貸借契約書の作成が必要となるのです。

個人の側がその法人の社員である場合の問題点

個人の側がその法人の社員の場合にも役員にお金を貸す時と同じ問題が生じます。ただし、社員は役員ではないので利益相反取引にはあたらず、株主総会や取締役会での承認は必要ありません。

そのため、この場合には株主総会や取締役会の議事録の作成はしなくてもよいのですが、金銭消費貸借契約書の作成は必要です。

なお、法人が社員に対する貸付制度を備えているのであれば、あらためて金銭消費貸借契約書を作成する必要はありません。

利息はいくらにするのが良いのか

法人が役員や社員にお金を貸した場合の適正な利息については国税庁がホームページで公開しており、令和4年中の貸付けについては0,9%となっています。ただし、銀行などの金融機関から借り入れて貸し付けた場合は、その借入金の利率となります。

なお、無利息や適正利息よりも低い利息であっても、課税対象とはならないことがあります。それは次の場合です。

(1) 災害や病気などで臨時に多額の生活資金が必要となった役員又は使用人に、その資金に充てるため、合理的と認められる金額や返済期間で金銭を貸し付ける場合

(2) 会社における借入金の平均調達金利など合理的と認められる貸付利率を定め、この利率によって役員又は使用人に対して金銭を貸し付ける場合

(3) (1)及び(2)以外の貸付金の場合で、上記1の利率により計算した利息の額と実際に支払う利息の額との差額が1年間で5,000円以下である場合

(国税庁ホームページ「No.2606 金銭を貸し付けたとき」より引用)

まとめ

個人と法人との間で金銭の貸借を行う場合には必ず金銭消費貸借契約書を作成するようにしましょう。

また、法人の側では金銭消費貸借契約書とともに取締役会議事録もしくは株主総会議事録を作成して、法人として金銭消費貸借契約をしたことの記録を残しておくことが必要です。

当事務所では、金銭消費貸借契約書の作成だけではなく、株主総会、取締役会の議事録の作成をいたします。個人と法人との間での金銭貸借をご検討中の皆様、ご連絡をお待ちしております。

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